DS18B20+ で温度測定をする為に「ディジタル温度センサー2」で紹介したように1秒間を超える手続き(ポート入出力)が必要です。 この間も温度制御や赤外線リモコン受信を並行して進める為に、可能な限り割り込み処理で必要な手続きを進める必要があります。

1-Wire バス・プロトコルは少々面倒な部分がありますが、今回の目的を実現する分には予め決まっているタイミングで以下4種類の処理を組み合わせて淡々と進めるだけで、複雑な分岐処理はありません。

1. ポートに Low を出力
2. ポートに High を出力
3. ポートを入力ポートに設定
4. ポートの値をサンプリング

RRP1320-1-04-2 の温度センサーを DS18B20 に置き換える為、他の処理(例: 赤外線リモコン受信)よりもシビアなタイミング管理が必要な 1-Wire バス・プロトコル用に、高位割り込みに設定した TIMER3 割り込みを使うことにしました。
DS18B20 は RB0 に接続し、RB0 について先の4種類の処理を行います。 クロックは内臓 8MHz のままです。

タイミングがシビアなので、割り込み発生の都度分岐するのではなくて、割り込み直後に前述4種類の内(予め決められた)いずれか一つの処理を行い、次のタイミング(割り込み)に備えて TIMER3 を設定し、次回割り込み時に実行するプログラムを指定(予約)することにしました。

TIMER3 割り込みの都度指定されたプログラムを実行する為に、フック( HOOK )を使っています。 データ・メモリーとプログラム・メモリーが分かれている PIC の場合はフックと呼べないかも知れませんが、TIMER3 割り込み処理の先頭で所定のデータ・メモリー( 3byte )を参照して指定(予約)されたアドレスにジャンプします。

下図は、TIMER3 割り込みを処理する高位割り込みプログラムのアセンブラ・ソースです。

inthigh-0

割り込みフラグをクリアして直ぐに、データ・メモリーに指定(予約)されたアドレスにジャンプしています。(10~13行目)

下図はジャンプ先の一例で、リセットパルスの後でデバイスの存在パルスをサンプリングするプログラムです。 ディジタル温度センサー2 に示したタイミング図の内、リセット・パルスの丸囲みSに相当するタイミングで実行されます。

inthigh-2

44行目でサンプリングを行い、結果を dsstf < 1 > に反映させるとすぐに次の割り込みタイミングを規定する為に(予め準備された) TIMER3 を設定しています。(46,47行目)

続いて、次の割り込み時に次々回の割り込みタイミングを規定する TIMER3 の設定値を準備し、次回割り込み時のフックアドレスを指定(予約)します。 続く書き込み(送信)処理に必要なワークの準備を済ませて、最初の図の15行目にジャンプしています。
67行目に RETFIE  FAST と書いても良いのですが、フックを使うと解り難いソースになる為、少しでも読みやすくする工夫のつもりです。

関連記事のインデックスは右記事の末尾にあります。 → ディジタル温度センサー


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