RRP1320-1-03 に温度制御機能を追加しました。 パン作りのイースト発酵などに応用出来そうです。 <PICデバイス=18F1320> 温度センサーはNational Semiconductor 製 LM60

LCD の1行目先頭から4桁分に測定温度と℃を表示しています。

温度制御用に加温用と冷却用の出力を準備しました。 各々 EEPROM に保存した温度を超えると動作します。 どちらも LED 表示を行う回路ですが、トランジスタや FET でインタフェースを実現すれば、ヒーターや扇風機?などで加温、冷却できそうです。

DSC00173

LCD の上に見える消灯中の赤色 LED が過熱表示/冷却側の出力で、制御上限温度(初期値30℃)を超えると点灯します。 LCD の下で点灯している緑色の LED が低温表示/加温用の出力で、制御下限温度(初期値27℃)を下回ると点灯します。 制御温度の初期値はイースト菌一次発酵温度を意識して設定していますが、どちらも EEPROM の値を設定する DE 疑似命令で指定していますから、変更可能です。 (ただし、上限温度>下限温度かつ各々5℃から95℃の間に設定します。)

上限温度以下かつ下限温度以上では両方のLEDが消灯します。

以下3つの状態があり、各々独立したサブルーチンを CALL します。 LED の点灯/消灯はこのサブルーチン内に記述したプログラムで実現していますから、これを書き換えることで各状態の動作を変更可能です。

 (1)制御上限温度を超える温度の時
 (2)上限温度以下かつ下限温度以上の時
 (3)制御下限温度を下回る温度の時

温度センサーは50msec間隔でサンプリングし、直前256サンプリングの平均値を0.5秒毎に LCD に表示していますが、整数値の境界付近ではフラフラと2値の間を行き来します。 温度制御出力は(初期値)10秒間隔で更新し、この間隔も1秒~2分まで変更可能です。

RRP1320-1-03 で紹介した汎用タイマーも同時に機能しますから、攪拌用のファンを間欠動作させることも可能です。 制御温度とヒーター温度の差や、熱容量などによりヒーターON/OFFの設定温度にヒステリシスを設けるような複雑な制御には対応できませんが、比較的小規模な装置に使えると思います。


ご利用の際には誤差にご注意下さい。 → RRP1320-1-04 温度誤差 


温度センサー関連記事のインデックスはこちら → 温度センサー 


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rrpdlc



以下は RRP1320-1-04 関連記事のインデックスです。

温度制御定数と出力 
 温度制御定数は DE 疑似命令で設定します。 制御間隔毎に測定値を比較し、上限温度と下限温度で仕切られた3つの温度範囲毎に独立したサブルーチンを CALL します。

RRP1320-1-04 温度設定機能追加 
 イースト発酵等に活用する場合、設定温度を変化させて試したくなると思います。 その都度 MPLAB と PICkit3 でビルドと書き込みを行うのでは億劫だと思い、赤外線リモコンで設定温度を変更できるようにしました。

RRP1320-1-04 温度誤差 
 A/D変換基準電圧(Vref)にPICの電源電圧を使っています。 電源電圧(5V)の変化に連れて入力電圧に対するA/D変換結果が変化します。

RRP1320-1 コンフィグレーションビット 
 当ブログやダウンロードコーナーで入手したプロジェクトをビルドしても正常に動作しない場合は、 Configuration Bits set in code のチェックを外してビルドし直してください。


楽々PIC」は楽しい道具を作りながら学ぶブログを目指します。